Seen4 危険な鑑賞会

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「じゃ、俺は風呂入ってくるから、みーちゃんは大人しく一人で鑑賞会してなね?」 「え、…え、ひとりにするの?」 何やらすでに始まっている動画に戸惑いつつ、昴くんの服の裾を引っ張って引き留めると、 「ふふ、22歳なんでしょ?頑張って?」 「うう、昴くぅん…」 「あ、絶対操作しないでね?美波変なところ押してウイルス拾ってきそうだから。」 「…うう、わかりましたよぉ…」 軽くあしらって、さっさとリビングを出て行ってしまった昴くん。うう、切ない…。 誰もいなくなってしまったリビングに響くのは私でも、昴くんでもない男女の声。 昴くんに言われた通り、操作はせず、クッションの上に体育座りをして画面に目を移す。 手を繋いで部屋に入ってきた男女。多分カップル。 違和感を覚えるほどに短い彼女のスカートの中を狙うようにカメラの位置はローアングルだ。 場所はおそらくホテルの中で、椅子とテーブルに座った彼らは缶ビール片手に仲睦まじげに交わす会話。 『なんか、寄ってきちゃったぁ』 『本当だ。顔赤いよ?』 『ほんとぉ?…あっ!えっちなところ触らないでよぉ…』 『触ってないよ?』 『あ!…もぉ、えっちなんだからぁ』 「………っ、」 正直、その会話劇は、耳と目を覆いたくなるほどひどい演技でこちらが恥ずかしくなっちゃう…。 私が言えることじゃないけど、与えられたセリフをただ淡々と口から出しているだけ…みたいな。 ううう、AVってこんな感じなんだ…、これで演技の参考になるのかなぁ? そんなことを考えながら、落ち着かない気持ちで動画鑑賞を続けていると、おもむろに始まるキスシーン。
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