Seen4 危険な鑑賞会

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再び映像に目を戻すと、立ち上がって女性の顔の前に腰を突き出す男性。 女性はカチャカチャと男性のベルトを外し始めて…、 というところで、昴くんがマウスに手を伸ばした。 「昴くん?」 「みーちゃんにはまだ早いからここは飛ばそう。」 「え?…どうして?」 「今回の映画のシーンには出てこないから覚えなくてよし。」 「…?」 少し気まずそうな昴くんは私の目を左手で覆って。次に視界が明るくなった時には、画面の中の二人は裸で抱き合っていた。 「わ、わ…っ、は、入ってる…っ、」 「まあ、入ってるよねぇ、そりゃ。」 「む、無理…怖い。」 「ふふ、怖くないよ。別に。」 パンパンッという音と共に激しく打ち付けられる腰にドン引きの私は体を横に向けて昴くんに胸に縋り付く。 私を安心させるようにぎゅっと抱きしめて、手を握ってくれる昴くんがいるからなんとか見ていられる。 「俺たちが演じるときの一つの対位がこの正常位だからね。布団はかぶるから美波の体はほとんど見えないと思うから安心して。」 「ほ、本当にはしないよね?」 「いや、AVじゃないし。シてるフリ。俺も美波も前貼りするし。ただ、騎乗位のシーンが正直美波には厳しいと思うんだよね。」 「騎乗位…、」 眉間にシワを寄せた昴くんの口から飛び出た聴き慣れない言葉に首を傾げると、彼は呆れたようにさらに口を開く。 「ほら、台本にあったでしょ?愛菜が拓人の腰に跨るってところ。」 「うん。え?…跨るだけじゃないの?」 「な訳あるかよ。俺ら静止画を演じるわけじゃないんだよ?」 そう言いながら、マウスに手を伸ばした昴くんはさらに動画を先に進めて女性が男性の上に乗っているシーンで再生ボタンをクリックする。
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