Seen4 危険な鑑賞会

26/36
前へ
/548ページ
次へ
『あ、…はっ、ああっ、…んん、』 「…え、え、…なに…?私、これするの?」 「まあ、これみたいに前から撮るわけじゃないし、体見えないようにとるんだけどね。」 「…、」 うねうねと男性の上で腰を動かす女性を見て、これを自分がするのだと思えばとてつもない絶望感に襲われる。 「す、昴くん…出来ない、絶対…」 「おー、負けず嫌いの美波ちゃんが諦めていいの?」 「…でもぉ…」 「まだ時間はあるから頑張ろ?まあ愛菜は慣れてるだろうからねぇ、初々しさ残る演技じゃ監督許してくれないかもねぇ」 「お、追い討ちかけないで!」 「あはは、…大丈夫大丈夫。俺がなんとかしてあげるから。」 「ううう、」 昴くんの胸に甘えるように抱きつくと、背中をぽんぽんと優しく撫でて慰めてくれる。 こんな距離、緊張するのに甘えたい。昴くんの熱に安心させてもらいたい。 これが、慣れっていうんだろうか。 これを繰り返しているうちに…私は騎乗位だって出来るようになるんだろうか…。 『あっ、あ…っああ、んん。』 「まあ、まずはこういう声出せるようになることから始めよっか?」 「え?」 「ほら、俺らが演じるベッドシーンなんて、表情と声と動きしか使えないから。その中でも声って相当大事だよ?」 「な、なるほど…」 泣き叫ぶように激しい律動の中声を上げる映像の中の女性をチラリと一瞥して、抱きついたまま昴くんの方を見上げる。 「愛田美波、行きます。」 「はい、張り切ってどうぞ。」 ニコッと微笑まれて、気合を入れてぐっと唇を噛む。 『あ、っ、や…激し…うんんっ、』 後ろから耳に入る喘ぎ声。 鼻から抜けるような、吐息が漏れ出すような…、うん。大丈夫。…出せる。私にも真似できる…!
/548ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1146人が本棚に入れています
本棚に追加