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“恋愛”を教えて欲しいんでしょ?と、自分から抱きつくように促せば、真っ赤な顔をしながらこちらに体を預けてきた美波。
その瞬間、彼女の鼓動が移ったようにバクバクと心臓が高鳴り始めて、美波の音にかき消されることを願った。
ポカポカと暖かい美波の体は、細いのに不思議と柔らかい。
可愛い。俺の腕にすっぽり収まるこの熱が堪らなく可愛い。
「ふふ、みーちゃん子ども体温なの?
…可愛い、惚れる。」
揶揄うように耳元で囁けば、
「…っ、体熱いのは昴くんのせいだし!
れ、恋愛しょしょ初心者にそういうこと簡単に言わないでください…、」
パニックに陥ったように吃りまくりで返答する。
抱きしめるだけでこんな…。
可愛いけど、可愛いけどさ…。
「………、
んー、無理かも。早く慣れて?」
多分俺、そこまで我慢強くないからさ。
もっと俺のこと知って、ここが落ち着く場所になるまで…ずっとここにいなよ。
彼女の白い首筋に擦り寄って、チュッと耳に口付ければ、変な声を発して飛び上がった美波。
女の子にこんな反応されたのなんて初めてだから面白すぎて、爆笑し始めたら「だって、だって…、耳にちゅ〜したからぁぁ!」と半べそかかれた。
何この子。いくつだよ。…赤ちゃんなの?可愛すぎ。
そのあとご飯を食べることになっても、彼女をどうしても離したくなくて、彼女を抱っこしながらご飯を食べるのがカップルの常識だ、なんて嘘をついたら、アホみたいに信じた美波。
無知にも程があるけど、そんなところも可愛いと思ってしまう俺はこの時点で完全アウト。
可愛い彼女の世話を焼きたくて、焼きたくて…ブカブカのスウェットの袖を捲ってあげるのも、大人しく捲られる子どもみたいな美波を見るのも、楽しすぎてどうにかなりそうだった。
いや、もうどハマり。
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