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「最近お気に入りのわんこ。」
それだけ伝えると、要はスマホをコトっと机に置いて眉間にシワを寄せる。
「何、また女増やしたの?」
なんて、人聞き悪いなぁ。
まあ確かに、幼馴染の奥さんとの純愛(笑)突き通した要からしたら今までの俺なんて無作為に手ぇ出すクズ野郎だったのかもしれないけどさ?
でも残念、俺もそういうの卒業したんだよね。
「いや、わんこ以外、女の連絡先全部消した。」
淡々とそう伝えると、一瞬固まった要は次の瞬間「は?!おまえが?」とやや大きな声で失礼なことを言いやがった。
「何、どクズ遊び人の昴がどういう風の吹き回し?」
「はっ、好きな子いじめる小学生男に言われたくねぇ。」
「ああ?んだと、こら」
「じゃ、お前今スマホで何してんだよ。」
「は?嫁のGPS監視だけど。あ、くそ、電車乗ってやがる…痴漢とかされたらどうすんだよ、阿呆…」
「相変わらずだね、キミたち。」
こいつは確かに一途に嫁の恵ちゃんだけを愛してるけれど、人にクズと言えるほど真人間ではない。
心狭いし、束縛酷いし…、こんな奴と付き合っている恵ちゃん、マジですごいと思う。
流石にこいつよりは絶対クズじゃない…。
口に出すとまた言い返してきて面倒なので、グッと言葉を飲み込んだタイミングでスマホが震えてメッセージの通知が表示された。
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