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【美波:昴くん!さっき雑誌の撮影でね、仲良しのスタイリストさんからお菓子もらったの。明日撮影でおすそわけするね!】
何気ない会話。
でも、美波の声で表情で脳内再生されるそのメッセージは、自然に俺の頬を綻ばせる。
今日も平和に生きてるね、みーちゃん。
マメなメッセージのやりとりとかは好きじゃなかった。
予定を決めたり目的のあるやり取りは別に良いけど用もなくダラダラ続くのは面倒くさい。
とかなんとか、思っていた1ヶ月前の俺に教えてやりたい。
お前、1ヶ月後24時間スマホ手放せなくなるよ、って。
「えー、昴ニヤついててキモいんだけど。」
「嫁ストーカーするお前に言われたくないんだわ。」
「は、ストーカーじゃねぇし。監視だし。」
「いや、それどっちもキモいからな?」
恵ちゃんを気の毒に思いつつ、美波への返事を考えるべくメッセージの入力画面を開く。
撮影で昨日会ったのにもう会いたい。なんて…本当初めてばかりの感情で自分でもどうすれば良いかわからない。
こういう時はすぐに返事しないほうがいいんだろうか。
でも、既読つけちゃったし、俺からメッセージ来ない、って落ち込む美波を想像したら無駄に駆け引きなんてしたくない気持ちになる。
「メッセージひとつ打つのに迷いすぎじゃね?」
「んー、うるさい。今日も家に誘っていいもんか悩んでるんだから黙ってて。」
茶々入れてくんなよ。と、目も向けずに不機嫌な声を返したのに、何故かテンションが上がって、要はハハっと笑う。
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