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昴くんは俳優の先輩として私の“恋愛のお勉強”に付き合ってくれているわけで…それなのに本気で昴くんを好きになった、なんて…きっと呆れられてしまう。
…もしかしたら、この気持ち伝わった瞬間、「人を好きになる気持ちが分かったなら、もう一緒にいなくていいでしょ?」って言われてしまうかもしれないよねぇ?
そう思ったら、胸がきゅうっと苦しくなってこの気持ちをバラすことなんてできない。
「そ、そんなんじゃないよ…?!も、元からこのブランド好きだし…、ふ、深い意味は…」
目まぐるしく脳内を飛び交う考えのせいで、すっごく失礼な態度をとってしまっている気がする。
あーなんでこんなに上手くいかないんだろう?
これじゃあ、好かれる前に嫌われちゃうよ?!
今まで摩訶不思議だった恋する乙女の奇行はこれなのか…と、こんな時にも分析するのやめたい……。
落ち着きなく瞳を彷徨わせる私に対して、テーブルにゆったりと立て肘をつき、ジッと綺麗な二重をこちらに向けた昴くんは、
「ふーん、それは残念。」
「…っ!?」
…なんて、私の心を簡単に弄ぶ。
ざざざ、残念…っ?、!
言葉の意図を理解できず、大きく目を開きながら胸をときめかしたその瞬間、
「てっきり、愛菜になりきりたくて着てるのかと?」
「…っ、へ?…へ、あ、あああ!そういうこと、で、すか!」
「うん、…まあ、そういうことですよ?」
舞い上がってしまった私はまんまと突き落とされて、自分の自意識超超超…過剰さに一気に赤面した。
あああ、今、都合いい解釈しました、ごめんなさいいぃぃぃ〜!
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