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優しいね、って…そういうんじゃなくて、本心なんだけど…なんて、
また言葉を付け加えそうになったけど、そのうち「大好きです」って正直に言ってしまいそうな自分のゆるゆるの口をグッと噤んだ。
……なにを真剣に演説しているのか…。とすぐさま後悔。
これは、アウトなのでは?こんなに必死に昴くんの好きなところ列挙したら…絶対バレてしまうのでは?
内心ヒヤヒヤしながら昴くんの表情を窺うと、パチっと目があって。
「そんなに頑張らなくていいよ?」
「え?」
「みーはみーのままで、気楽に俺と会ってよ。」
「…っ、は、はい…」
ニコッと殺人的なスマイルと共に送られた優しい言葉。
その頑張っての意味は、演技に対するものなのか…、
それとも、さっき私が口にした、“昴くんを好きにならないようにする頑張り”に対するものなのか。
それをさらに聞くなんて賭け事、私にはできなくて、少し冷めてしまったスープにようやく手をつけた。
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