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そのあと、魚料理とメインのお肉料理が配膳されて、どれも本当に美味しかった。
食事中は、お仕事の話はもちろん、休みの日は何をするのか、とか、好きな食べ物は何か、とか…そんな当たり障りのない話をして。
オチもないのにペラペラと続ける私の話に、終始笑顔で相槌を打ってくれる昴くんのことますます大好きになっちゃった。
美味しいね、と笑えば目の前にいる昴くんも楽しそうに笑ってくれて、なんて素敵な時間なんだろう、このまま時が止まればいいのに、なんて馬鹿なことを考えて。
付き合いたい、なんて…烏滸がましいことは考えない、そう思っていたのに、私ってば実はすごく強欲な人間だったみたいだ。
これからもずっと…演技の練習とか関係なく…
昴くんと今みたいにずっと笑ってお話ししたり、触れ合ったりしたいって思ってる。
映画の撮影期間は既に半分過ぎて、残りあと1ヶ月半ほど。
それが終わったら…もう昴くんとは会わなくなっちゃうのかなぁ…寂しいなぁ…。
メインの料理を食べ終えて、残すはデザートだけ。
ああ、今日も終わりか、そう思えばあれだけペラペラご機嫌に話していたのに急にセンチメンタルになっちゃう。
「みー、どうした?お腹いっぱいになっちゃった?」
急に暗い顔をした私を心配してくれた昴くんに「え?…あ、ううん!違うの。」と慌てて笑顔を作ったけど、あまりうまくいかなくて多分力ないものになってしまったと思う。
「ただ、楽しい時間ももうすぐ終わりなんだなぁって思ったら少し寂しくなっちゃって。」
「…、」
「本当に時間あっという間だったなぁ。楽しかった、すごく。」
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