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店員さんの手が持つお皿の上で、パチパチと弾ける光の粒。
想定していなかった光景に「え?!なに…?」と目を広げて迷わず昴くんを見た私に満足げな表情を返すと、
「初デートのサプライズ。」
なんて、…悪戯に笑われたら…
好きにならずにいられないじゃないですか、ずるいです。この人…
綺麗な層になったケーキの上に刺さった蝋燭から花火のように弾け飛ぶ火の光。
幻想的なそれに、まるでドラマの中の主人公にでもなったみたいに幸せな気持ちになった。
テーブルにお皿を置いてくれた店員さんに「ありがとうございます」とお礼を言う声も弾んでしまうくらい、本当に嬉しくて…
「写真撮ってもいい?」と昴くんに確認する前にスマホのシャッターを押しまくっていた。
「ね、ただ花火の蝋燭さしただけでそんなに喜ばれると逆に恥ずかしいんだけど…」
照れたように笑う昴くんに鼻息荒く「なんで?!」と大声をあげると、驚いたようにビクッと肩を揺らされて、ちょっと恥ずかしくなった。
「私のために昴くんがお店に頼んでくれたって考えただけですごーく嬉しいの!」
「俺だって…ちょっと笑ってくれればいいかなって思っただけだったのに、こんなに喜んでくれるなんてね。美波の笑顔見れて満足。」
「ありがとう!昴くん!」
「どういたしまして、美波ちゃん?」
二人で笑い合って食べたケーキは甘くて、甘くて、…胸焼けしそうなくらいに甘くて、幸せで、蕩けてしまいそうなくらいで…って、
そんな感じの言葉を列挙しなきゃ言い表せないくらい、うふふふ、って感じだった!
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