Seen6 これはレッスンじゃない

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「わー、てかやばー芸能人の手だぁ…」 「は、竜くんきもいこと言うのやめて?早く離して?」 「んだよ、お前も怖い顔すんのなぁ〜、束縛する男はモテねーよ?」 おちょくるように顰めた顔を向けられてピクッと眉を動かした昴くんは、腰を浮かせて、 「いいから離して。で、二人とも俺と握手。」 「は?!おい、美波ちゃんの感触奪うなや!」 両手を出して私と神崎さんそれぞれと握手をした昴くんを「わー、昴くんも手大きいねぇ」と見上げると、「美波の手は小さくて可愛いね?」と何故だか褒めてもらえた。嬉しい。 「うわー、こんなにデレデレしてる昴初めて見た。」 「でしょ、それ自覚ある。」 「あ、デレデレっていえば、今悠真も来てるよ?ベタ惚れの彼女連れて。」 「え、まじすか。」 悠真、という名前を聞いた瞬間、目を輝かす昴くんは、パッとこちらを向いて「友達。ちょっと会ってもいい?」と尋ねてくる。 もちろん、名前を聞いただけでこんな顔をする昴くんのお友達なら拒否する理由なんて全くないので、笑顔で頷くと、「もう帰るとこだったから呼んでくるわ」と神崎さんは部屋を一度出て行った。
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