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スタッフさんに呼ばれ、セットの前にできた人の群れに身を投じると、その群れの中心部で小柄で可愛らしい女性と監督が並んで立っていた。
「本日より如月芹那さんクランクインです。」
「みなさんおはようございます、佐野千夏役の如月芹那です。途中参加で緊張してますが、みなさんの足を引っ張らないように頑張ります!」
整った顔に笑みを浮かべて頭を下げたその人は、ドラマや映画に引っ張りだこの人気女優、如月芹那さん。
この映画では、拓人に恋心を寄せる友人役としてキャスティングされており、それはつまり私演じる愛菜のライバル役ということになる。
「私、福田監督の作品すっごく好きで、いつか出てみたいってずっと夢だったんです〜!」
「そうだったんだ?それは嬉しいなぁ。じゃあ、如月さんを含めたこのメンバーで、さらに撮影盛り上げていきましょう!」
「はい!よろしくお願いします!」
周りからの拍手に包まれて、少し照れたように肩をすくめた如月さん。
お肌が白くて小柄で、ショートボブがよく似合う本当に可愛らしい方だなぁ、仲良くなれるかなぁ?なんて思いながら、周りに紛れて拍手を送っていると、視線の先の彼女がパッとこちらを向いた。
しまった!見過ぎた?と、内心焦って目を見開くと、如月さんはニコニコ笑いながらこちらに近づいてくる。
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