Seen7 恋の病

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それを面白くなさそうに横目で見た如月さんは、表情をころりと変えて「ね、久城さんもそう思いますよね?」と昴くんの方を見上げた。 「ま、そういうのは人それぞれの考え方あるから。」と大人な回答をした昴くんにまたつまらなさそうに「相変わらずクールなんですね?」と可愛らしく拗ねた様子を見せる彼女。 「美波は美波のやり方で頑張ればいいからね?」 「は、はい…!」 ぽんっと頭を撫でながら柔らかい笑みで見下ろされ、頬を綻ばせながら「ありがとう、昴くん。頑張るね?」と胸の中央にぎゅっと両腕を寄せた。 …ああ、今ここに昴くんと二人きりだったら…100%抱きついてたよ。 如月さんのプロ意識に少し圧倒されたし、自分の意識の低さに少し焦ってもいたから、彼の温かな優しさが胸にじんわりと染み込んでくる。 ピリッとしていた空気が、昴くんの力であっという間にほんわか暖かくなって、 …ああ、こうやって気を緩ませてしまうと、プロ意識低いって思われちゃうかな? なんて、…そんな心配をしつつも、心の中で「昴くんとは恋人役だからいいんだもん。」とこっそり言い訳をした。 「ねえ、なんで下の名前で呼んでるの?」 「え…」 刺々しい声は主に私に向けられて、相変わらずの当たりの強さに圧倒されてしまう。
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