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ニコニコ可愛らしい笑顔を昴くんに向ける如月さんに対して、昴くんはシラーっと無表情だけど…。
背の高い昴くんと、彼より20センチほど小さな可愛い如月さん。
そんなツーショットがお似合いで…、せっかく羽瀬さんとお話しして元気になったはずなのに、また心がシュンと萎んでいってしまう。
私の身長は167センチ。如月さんは多分160センチないと思う。
モデル業界では、私でも身長低い方だったんだけど、一般的には高身長と呼ばれる部類で…。やっぱり小さな女の子の方が可愛くていいよね。
子どもの頃から沢山牛乳飲んで、ぶら下がり棒に毎日ぶら下がって…、モデルとして最低限の身長を得るために、背を高くするためにできること片っ端からやってきた。
でも、ここにきて初めて…、私も小さくて可愛い女の子になりたかったな…なんて。そんなわがままなことを考えたりもした。
「あー!美波ちゃん、また唇食べないの!」
「え?…あ!ごめんなさい!」
二人を見つめていたら無意識に噛んでしまっていた唇。
慌てて口をぱかっと開けて謝ったってもう遅くて…
「また塗り直してあげるから。あーんしてて?」
「ううう、ごめんなさぁぁい…」
呆れ笑いをする羽瀬さんに眉を下げてまた謝った。
私の情けない謝罪の声にこちらを向いた昴くんはくすくす笑いながら近づいてきて、「なに?みーちゃん自分の唇食べるくらいお腹空いてんの?」と頭をポンポンと撫でてくる。
「ううん、癖なんだよね。何度も口紅塗り直すと唇荒れちゃうから直したいんだけど。」
「そりゃあ、唇荒れたら大変。…俺とキスするとき困るじゃん。」
「…っ、へ?!」
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