Seen3 初めてのレッスン

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さっきみたいに無理やり背中に手を回すんじゃなくて、私から抱きつくように誘導する昴くん。 レッスン、と言われれば逃げるわけにもいかず…。 でも、本当に心臓が破裂しちゃいそう。 顔も手も足も…全部熱くて、熱中症にでもなったみたい。 唇を噛んで、モジモジと視線を泳がし続ける私に、「みーちゃん?」と甘い声をかける昴くんは、 「恋愛のドキドキ教えて欲しいんでしょ?」 「…、」 「ならおいで?…教えてあげるから。」 ふっ、と。フェロモンを振り撒いて微笑む彼にふらりと視界が揺れる。 もう、抗えず、目の前で広げられた腕の中にゆっくりと吸い寄せられるように体を倒して…。 「失礼、します…」 「はい、いらっしゃい?」 思い切り、ぎゅっと全身に加えられた力。 やっぱり苦しくて、心臓がバクバクやら、ドキドキやら、ギュイイインやら… 沢山の異音を鳴らしまくっているけど、不思議と泣きそうなほど安心する。 「ふふ、みーちゃん子ども体温なの? …可愛い、惚れる。」 「…っ、体熱いのは昴くんのせいだし! れ、恋愛しょしょ初心者にそういうこと簡単に言わないでください…、」 「………、 んー、無理かも。早く慣れて?」 軽くそう言って、私の首元に昴くんが擦り寄ってきた時点で硬直した体。 それなのに、その後すぐにチュッと耳元にリップ音が響いて… 「…っ、ひょぉうわっ!」 「…、」 「ま、まっ、ちょ…すば…?!!」 思わず、宇宙語を繰り出した私。 どうやらこれが昴くんの笑いのツボをポチッと押してしまったらしく。 「ぶっ…… ふははっ、待って…何語?!それっ!」 「…あわわわわわ、だって、だって…、 耳にちゅ〜したからぁぁ!」 「あははっ、それにしてもその反応…っ、」 そのあと数分、彼の笑いは止まらなかった。
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