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急に真面目なトーンになるから、思わず私も固い声を返すと、「うん、そう。」と今度は適当な声が返ってくるから、結局本当か嘘か分かんない…。
でも、こういう至近距離のドキドキを知るためにはこういうレッスンが必要…なの…か?
私にとっては奇行に思える昴くんの行動も…恋人関係なら普通…なのかも…?
ぐるぐる考えたって恋愛に関する常識ゼロの私が答えなんか出せるはずもなくて。
「みーちゃん、ほら。余計なこと気にしてないで食べな?お腹すいてないの?」
「うう、ドキドキで胸いっぱいです…」
「あは、また可愛いこと言っちゃって。美味しいから食べな?」
「…、」
腹部に回る腕がぎゅっと私を抱きしめて、胸がキュッてなる。
もう考えたって分かんない。私は昴くんのことを信じて努力するって決めたんだもん。
恥ずかしいけど、緊張で苦しいけど…、昴くんがレッスンというなら…断るわけにはいかないよね…。
昴くんに言われて、目の前の料理に目を向けるけど、お腹は空いているはずなのに…、この状況じゃやっぱり喉を通りそうにない。
でも、せっかく昴くんが用意してくれたし、私が食べなければ昴くんも食べれないから…、
これまで感じたことのない緊張感の中、用意されたパスタにフォークを伸ばすと、
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