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時は満ちる
「罪人、______を極刑に処す。」
何十にも男に巻きつけられた霊力封じの鎖。そんな男の回りを取り囲むのは刑罰執行を見届けようと群がる野次馬。
ここは天界、体が死に絶え、魂のみとなった死人が次の生を得るその時までいることが許される場所。魂の通り道である天界で罪を犯すということは、それすなわち魂を壊されるに等しい。
「何か、言い残すことはあるか」
これから罪を犯した罪人を裁くというのに、今にも泣きそうな顔で此方を見つめる執行人、別に、そんな顔をしてほしくて俺は罪を犯したんじゃない。
「それじゃあ一つだけ…。」
大きく息を吸って痩せこけた肺に空気を目一杯詰め込む、フケまみれの髪が揺れて男の頬に涙が垂れた。野次馬が固唾を飲んで見守るなか、男はフッと息を吐く。
「お前らぁー!!!!!俺が帰って来るその前に…、死ぬんじゃねぇぞ!!!!」
「………殺れ。」
そうして男は魂もろとも壊され死んだ。
そうして時は流れ、平和な現代にたどり着く
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