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「はぁーあ…よく寝た。」
次に目を覚ましたのはお昼時だった。クラスメイトは昼食を取られまいと皆駆け出して教室を飛び出していく。ボケッとしてそれを眺めていたらいきなりスパンッと頭を叩かれた。
「やーっと起きたか充さっさと僕らも食堂いかねーと立ち食いする羽目になるぞ。」
教科書片手に此方を見下ろす茶髪で金色の瞳を持った男子生徒。こいつは高校に入ってから特段仲の良い友達だ。
「分かってますよっと…。ていうか教科書で人を叩くんじゃねぇよ優等生でイケメンの日高颯天君。お前がこんな事してるの見たら先生と女子生徒、悲鳴上げて倒れるんじゃねぇか?」
「うるさいなぁ居眠り常習犯の信条充君?お前こそ先生のこと疲労で禿げさせるんじゃねぇぞ!」
「もう禿げてるから意味ねぇーよ。…っと」
席から立って他愛のない話を進めながら教室のドアを開く、するとドアを開いたすぐ先、自身の足元に黒い小さなナニカが見えて、此方をボーっと見つめていた。
「…!」
「おいどーしたんだよ充、速く行こーぜ。」
「いや…、こっち側の廊下は少し水が落ちてて滑りそうだ。あっちのドアから出ようぜ。」
「おっ?そうか、んじゃ行くぞ。」
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