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そのウワサが流れ始めてもう半月になろうとしている。もちろん、先生も含めて大人たちは無関心だ。その間にも、怪現象のあやふやな目撃談に尾ひれがついて、嘘か本当かたよりない話ばかりが流れてきていた。
教室では数人のグループがいくつかできていて、華凛がそのひとつへ入っていこうとすると、横から腕をつかまれた。
友だちの財田六花だった。華凛が小学校に上がったときからずっと同じクラスで、一番の仲良しだ。一年生の新学期、知り合いのいないクラスでたまたま前の席にいた六花に声をかけたのが始まりだった。それ以来、学年が上がって二回もクラス替えがあったのに、運良くずっと同じクラスになれた。
「ちょっと、華凛ちゃん」
と、ささやくような声音で。
(え?)
六花は、朝っぱらからちょっと真剣な顔つきで、華凛は少し戸惑ってしまう。色白だから、そんな表情をされると、気圧されるようなすごみを感じる。
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