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姿見の前でくるりと回る。髪の毛がふわりとゆれる。
(よし)
華凛はドアを開けて自室を出た。
ダイニングキッチンでは、もう母親が三人分の朝食の準備をしているところだった。おみそ汁の匂いがたちこめ、納豆のパックと昨日の夜に残った筑前煮と焼けたばかりのベーコンエッグが、湯気のたつご飯といっしょに白いテーブルに置かれていた。
「おはよ、ママ」
「あら、今日は呼ぶ前に起きたのね」
キッチンのガスコンロの前に立つ母親は華凛を振り返って、
「あ、そうか。今日から冬服だったわね」
えへへ、と華凛は照れ笑い。
「ちょうどよかったわ。お姉ちゃんを起こしてきてちょうだい」
「ええー」
とたんに眉をよせる。
「中間試験の勉強で、ゆうべは遅くまで起きてたから、起こしてあげないと起きないし」
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