六年三組 新町華凛

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「お姉ちゃんってば」  布団の上から揺り動かした。でもすぐに起きない。 「学校に遅れちゃうよ」  起こし続けていると、 「うるさいわね」  怒りだした。でもやっぱり起きてはくれない。  華凛は目覚まし時計のアラームを最大ボリュームで鳴らして、布団の中に放りこんだ。 「なにすんのよぉ」  布団をはねのけて、やっと起きた。 「だってなかなか起きないんだもん」 「きのうは遅くまで勉強してたんだよ」  寝ぼけ眼で柚葉は華凛を見ると、めんどくさそうに、 「着替えたら朝ごはんに行くから」  それを聞いて、華凛は姉の部屋を出る。  朝のニュース番組を流しているテレビを習慣的になんとなく眺めながら朝食をとっていると、制服を着た柚葉がまだ眠そうな顔でダイニングキッチンに入ってきた。高校の制服も冬服だったが姉は妹ほど愛着がない様子。  無言でテーブルについた。
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