六年三組 新町華凛

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「明日から試験だっけ?」  柚葉の分のおみそ汁をよそって、母親がきく。 「そ。今日は午前中まで授業で、お弁当を食べたら午後には家に帰ってる」 「ええー、いいなぁ……」 「遊んでられるわけじゃないのよ。あんたも中学生になったらわかるから」 「今日は夜勤だから、夜は二人だけでお願いね」  母親は看護師で、週に何日かは家に帰ってこない。病院が夜勤の日は壁のカレンダーに印をつけてある。 「試験勉強したいからコンビニでなにか買ってきていい?」  母親が夜勤のときは、夕飯はいつも柚葉が作っていた。母親が仕事してくるおかげで生活できるんだってわかっているから、姉妹が家事を分担するのは当たり前だった。といっても、姉の柚葉のほうがやれることは多い。
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