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同い年の彼女は大学を卒業し食品メーカーに就職し、律君は弁護士を目指すためロースクールに進学 その後、2年は付き合っていたらしい 「順調なのに、お互い好き同士なのにどうして別れたのですか?」 「司法試験に2回落ちたからだよ」 「そんな理由で?」 「七幸にとってはそうでも、結婚願望が強い彼女にはこんなに落ちるから僕が弁護士になれなくてこのままニートになる可能性が・・・なったとしても結婚は30歳をすぎるだろうから、それならば早く見切りをつけたいという理由で別れを切り出してきた」 「引き留めなかったのですか?」 「僕の不甲斐なさが原因だから引き留めることなんてできない。現実、僕自身も落ちたショックから先の見えない未来に絶望していたしね。彼女のプレッシャーがなくなったからまあよかったよねって割り切れた」 から笑いをしながら言う律君 きっと、当時は辛かったのだろう 「ごめんなさい!辛いことを思い出させて」 「前々辛くない。縁がなかっただけ」
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