第1話 神の頂点

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第1話 神の頂点

全ての世界の頂点である神界。神の住まう世界にはそれぞれが何かに特化している神達が数京あたりいる。その中で全知全能の女神 ミリル・セレントヴァインが皇帝神の位についた。全ての世界が彼女を崇拝し、尊敬し、敬愛した。 神に近い存在である者達と神界に住むもので彼女の名を知らぬものはいない。 そして、彼女を怒らせたら世界が終わると裏の決まりも存在していた。 ー皇帝宮殿ー 真っ白な大広間の真ん中にある通路をヒールの音でコツコツと音を立てながら歩くのはミリルの忠実な部下である剣の神遺物であるアイシュレイズであった。青色のマントを羽織り、金色の髪の毛をした美少女とも言えるほどの女性の姿をしていた アイシュレイズ「…女王陛下、気分は」 アイシュレイズがミリルの部屋だと思われる扉を叩くと、部屋から爆発音やら何かが壊れる音が聞こえていた。だがそれを聞いてもアイシュレイズは表情を変えずに部屋に入った アイシュレイズ「……女王陛下。落ち着いてください」 ミリル「っはぁ…っはぁ…アイシュ…レイズ?…うぅっ!…」 ミリルは苦しそうにベットの上で悶え、体から放射される怪しい光によって壁が壊れたり天井が崩れたりしていた アイシュレイズ「………瘴気の取り込みすぎです。アリスの元で治療を受けましょう」 ミリル「…大丈夫………これぐらい…耐えられる…」 アイシュレイズ「無理です。女王陛下の体は無限ではありません」 ミリル「でも…」 アイシュレイズ「全知全能であっても瘴気だけはどうにもすることは出来ません!その力があるこそ避けられないことなのです!」 ミリル「………わ…分かったわよ…」 ミリルが起き上がると白い髪の毛がミリルの肩に降り、金色の目でアイシュレイズを見ていた アイシュレイズ「…女王陛下……もう…皇帝神に就いてから…6000年経ってます…年は問題ありませんが…その状態を繰り返すのはよくありません」 ミリル「…私以外の誰が皇帝神できると言うの?…任せられるような子いないわ」 アイシュレイズ「…セー…」 ミリル「あの子は私しか興味を示してくれないから無理よ。実力は申し分ないんだけどね」 ミリルの目は白銀の目に治っていて、髪の毛をとかし、玉座へ向かった ミリル「私が安心してこの座を渡せる日は…来ないのかもね」 アイシュレイズ「……女王陛下………」 ンツァレイオン「アイシュレイズ。何時になったら女王を目覚めさせることが…女王。起きていたのですね」 ミリル「おはよう」 ンツァレイオン「じょっ、女王!起きていたのですね!活動報告書がたんまりと残っています!今日中に20万個やってくださいね!」 ンツァレイオンは玉座とは離れている執務室の机の上に大量に溜まっている活動報告書の山をポンポンと叩き、そのまま出ていった アイシュレイズ「女王陛…かっ!?」 アイシュレイズがミリルの顔を見ると死んだような顔をしていたため 驚いた顔をして様子を伺おうとしたが、ミリルはその顔のまま玉座から立ち上がり執務室へ行ってパラパラと仕事を始めた ミリル「…ヴァーミリオン!」 ミリルがその名を呼ぶと 飴玉を加えて 軍官のような帽子をかぶっている赤マントの短金髪の美少女が現れた ヴァーミリオン「主様?なぁに?」 ミリル「土地管理はヴァーミリオンに任せるわ。この前やり方教えたから出来るはずよね」 ヴァーミリオン「えぇっ!?無理だよ!あたしは戦う専門なのに!」 ミリル「…この前私のおやつを勝手に食べたこと知ってるのよ?瀕死になりたくないのなら言うことを聞きなさい」 ヴァーミリオン「うぅ…分かったよ…主様ぁ…」 ヴァーミリオンはとぼとぼと執務室を出て行った ミリル「…どうせなら全員使おうかな。レアフィルゼ!イリアナ!セレスティア!トレイア!」 4人「はい!」 さらに緑色のマントを羽織り、下ろし髪の毛に白い小さな花が点々とついている金髪を持つ美少女と、ビンク色のマントを羽織り、耳の後ろあたりに赤ピンクのリボンで結び、ミリルのぬいぐるみを持つロリの美少女と、金色のマントを羽織り、髪の毛にウェーブがかかっている美少女と、緑色のマントを羽織り、ツインテールで結んでいる美少女が現れた セレスティア「ミリルー?どうしたのー?」 ミリル「セレスティアは今年の経費の確認を、イリアナは結界の様子を、レアフィルゼは警備の様子を、トレイアは病院に行って何か問題はないか確認しに行って」 セレスティア「経費の確認?…それってミリルの役目じゃ…」 イリアナ「結界なら…任せて」 レアフィルゼ「警備…なるほど、たるんだ体を鍛え直す手伝いをして来いということですね。かしこまりました」 トレイア「病院だー!」 ミリル「文句あるのかしらセレスティア」 セレスティア「え、…ううん!ないよ!文句なしで行きます!」 ミリル「さっさと行って頂戴」 4人「……分かりました」 4人はそのまま部屋を出ていったヴァーミリオンと違い、そのまま姿を消してそれぞれの役目の場所へ向かった ミリル「…………楽になりたい…」 ミリルがそう呟いた時に突然後ろから聞き覚えのある声が聞こえた セーラ「お姉様っ!」 ミリルに抱きついたのはクリーム色の髪の毛を持ち、前髪に後ろ髪より長い髪の毛を持つ虹色の瞳の美少女 セーラ・スフィーガーデンだった。 ミリル「…セーラ?何しに来たの?」 セーラ「暇だから遊びに来ましたの!お姉様成分を味わいたくてっ!」 ミリル「…邪魔だから出ていって!仕事中よ!」 セーラ「っ…も…申し訳ありませんわ…」 セーラはしょんぼりした顔で空間の中に戻り、また執務室は1人へとなった ミリル「……………果たさないと…」 数時間後、神遺物達が任務を終え、執務室に入るとそこには黒い髪の毛の仮面をつけた少女がミリルの腹に剣を通し、抜いている瞬間を捉えてしまった 7人「っ!」 アイシュレイズ「女王陛下ぁっ!」 トレイア「お前!よくもご主人様に剣を!」 黒髪の少女「……皇帝神を助けたければ、追いかけなさい」 黒髪の少女はミリルを次元の間に落とし、イリアナは結界で塞ごうとしたが、黒髪の少女の方が格上だったのか無効化されてしまった イリアナ(私の…結界が…無効化された?…) 黒髪の少女「………」 黒髪の少女はそのまま次元の隙間に入り、姿を消してしまった 皇帝神に仕える神遺物達は手も足も出なかった。 何故ならば黒髪の少女から溢れる危険なオーラがミリルよりも超えていたからであった アイシュレイズ「私たちがもっと早く帰っていれば!…誰かが1人でも女王陛下のおそばにいられれば!…」 トレイア「ご主人様がぁ…死んじゃったぁ……うぇっ…」 ンツァレイオン「なんで…体が動かなかったの…………私たちは女王のお役に立ち、守る為に生まれてきたのに…」 レアフィルゼ「……みんな、私たちは消えていないわ。私たちの命はクイーンと繋がってる。クイーンが死ねば私達も死んでいるはずよ。能力によって繋がっているんだから」 神遺物はミリルの全知全能によって作られた存在であるため、生きる時も死ぬ時も共にすることを義務付けられていた イリアナ「………セーラお姉ちゃんに報告して探してもらわないと…だけど報告したら…確実に自殺未遂する…」 7人「………」 アイシュレイズ「私たちは世界に関与することが出来ません…セーラ様が女王陛下の居場所を見つけ、送ってもらえれば…」 ヴァーミリオン「主様を見つけたらその後はあの黒髪野郎を殺す。よくも主様に剣を刺しやがって!」 トレイア「会った瞬間いたぶって殺してあげよう?…私たちの愛するご主人様を傷つけた罪だよ」 7人はそう誓い、イリアナがセーラにミリルが殺されそうになったことは報告せずに、ミリルが家出したから探して欲しいとお願いすることにした ー世界管理室ー セーラ「お姉様が家出?…珍しいですわね」 イリアナ「お願いセーラお姉ちゃん…急いで探して…くれない?…」 セーラ「わかりましたわ。しかし…探すのに時間がかなりかかりますわよ…あなた達居場所とか分からないの?」 イリアナ「…姫様は管理されることが嫌いだから………場所を教えてないようにされてる」 セーラ「…かなり難しいですね…何百年かかるか知りませんよ?…もう…」 イリアナ「一刻も早く!」 セーラ「はいはい、今から探しますからイリアナはお昼寝でも」 イリアナ「私は子供じゃない!」 セーラはイリアナの反応に軽く笑った後、世界一つ一つを慎重に見てミリルを探し始めた セーラ「…お姉様が家出なんて……有り得ませんわ…まぁどんな理由であろうと私は例え誰も行けない所でも行きますわ」
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