校長式辞

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「校長、やってくれたよね~」 全てが終わり、校門前で卒業証書片手に子どもたちは友達と最後の時間を過ごす。 「さすがだよね」 「ってか、結局何が言いたいんだよって感じだよね」 数人が笑いながら話していると、 「お前ら、気付かなかったのか?」 ニヤニヤとしながら担任の山田先生が現れた。 「お前らの考えることは、校長、全てお見通しだよ。そこに校長からの心から贈る言葉がある。」 担任の言葉に、そこにたむろしていた他の卒業生グループも「どういうこと?」と集まる。 俺らの考えること・・・。 ちょこちょこと歩く校長、語り始めの「目」の引きつけ、カツラ、義務教育の間違え。 (お、遅い・・・) (め?) (でたー) (十“とお”?) 数人が「あっ!」と声をあげる中、僕は数年後の同窓会まで、校長の心から贈る言葉に気付くことはなかった。
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