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【 プロローグ: 彼女の十字架 】
僕の苦しみなんて、そんなの苦しみじゃない。
僕の知っている限り、彼女ほど大きな苦しみを持っている人は、この世にいないんじゃないかと思う。
君は、今どこの世界で生きているのか……。
それは彼女自身さえ、分からないのかもしれない。
あまりに違い過ぎた僕たち……。
教室でひとり泣いている君を見た瞬間、
僕の中で芽生えた気持ち。
あんなにも明るい君が、ずっと背負い続けた十字架……。
それを知ってしまったことで、
決して交わることのなかった僕たちの人生が
あの時、突然、クロスしたんだ……。
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