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「と、とりあえず、セッションの件、俺もぜひやりたいから」照れ隠しに、俺は明るい口調で言った。「けどもう遅いから、今日はこれくらいにしよう。また連絡する」
『うん。待ってるよ。それじゃ、おやすみなさい……って、そっちはお昼か』
「ああ、おやすみ。またね」
通話を切る。
……。
こんなことになるとは思わなかった。しかし……よく考えたら、「卒業」は高橋さんへの叶わぬ思いがベースにあってできた曲だ。その思いが叶ってしまうのなら……それは「卒業」からの卒業を意味するのではないだろうか。
それにはまず、JPOP から卒業しなくては。さらに……ひょっとしたらこの先、独身からの卒業も……?
どうやら「卒業」から卒業しても、俺の行く手には様々な「卒業」が待ち構えているらしい。
その節目節目で、俺はこれからも「卒業」を歌っていくのだろう。
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