チンパンジーの進化論

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2022年12月15日 大学生2人が授業の合間に何気ない雑談をしている。 「ねえねえ、チンパンジーにほとんど化石が無いって知ってる?」 「知らない。どういうこと?」 「人類は進化の過程がわかる化石がたくさん発見されてるんだけど、チンパンジーは、進化の過程の化石がほとんど見つかってない。突然現れたみたいで不思議だねって話」 「確かに、不思議。」 ----------------------------- 3012年12月15日 時代が進み、高度な医療とテクノロジーによって苦しんで死ぬことのない、死刑も無い世界。 死以外何も恐れない男は、この世の悪行の限りを尽くす事にした。 レイプ、放火、強盗、殺人。 「オレが何人殺そうと、俺は殺されない。どんな悪いことをしても生きていられる。こんな愉快なことはない!」 どんなに効果を出してきた犯罪者更生プログラムもその男には効かなかった。 お手上げの裁判所は最新の技術を駆使した新たな刑を作り、その男に課す事にした。 -----執行員2人は初の刑の執行を待っていた。 「それしにても、今度の新しいのはむごい刑だよな〜」 「過去に連行されて、獣として生きるなんてな」 「記憶も無くし、知能も落とされて、見た目もかなり猿に近づけられたんだろ?そしたら、死刑の方がマシかも(笑)」 「まあ、凶悪なやつは現代からも種族からも追放されるってことだな。オレらもその方が安心だろ?」 「言えてるな。さあ行くぞ、立て」 小さな毛むくじゃらの生き物が、2人に手を引かれ暗闇へと歩いていった。
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