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「おい!店長を呼べ!」
怒号が店内に響いた。
中年男性がイライラした様子でテーブルをコツコツと叩く。
「何が新しいシステムの格安レストランだ!
安くても店員のサービスがなっとらんとダメだろ!
料理の配膳も雑だし、全然愛想がない!
どういう教育してるんだよ。」
配膳された料理の皿のふちに、一滴のソースが落ちていた。
「大変申し訳ありません。」
マダム風の女性店員は深くお辞儀をしたが、上げてきた顔の片頬はつり上がっている。
「おい、なんでちょっと嬉しそうなんだよ。
ますますイラつくな。
ともかく、何かお詫びの品でも出すんだな。」
男の貧乏揺すりが床を揺らす。
「お客様、私が今の店長でございます。
当店のご利用規約はお読みになりましたでしょうか?」
「あ?あんな長ったらしいの読むわけないだろ?
いくら値段安いからってサービス落としていいのかよ!」
「申し訳ありません、ご利用規約で書いてあるお約束事でこの安さを実現しておりますので、ご了承ください。」
「なにいってんだよ!?」
男は突然現れた屈強な男に羽交い締めにされ、厨房の奥へと消えていった。
「はあ、やっとだわ。」
制服を脱ぎ捨て、マダムが座り込む。
「こんな規約のせいで、、、」
ポケットからしわくちゃになった紙を出し、破り捨てる。
“【利用規約】当店への理不尽なクレーム行為を行った者は無給・無休で店長代理として業務を行うものとする。期間は次の店長代理が現れるまでとする。”
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