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知花は涙を拭い、何度も頷いた。
「あのぉ、一つお願いがあるんですけど」
知花が立ち止まり、喜美恵の顔を見る。
「何? 何でも言って」
「私、あのスニーカーが欲しいです」
「勿論よ。じゃあ、今から家に来る? 一緒に晩御飯作るの手伝ってよ。あ、でも先にお父さんに連絡しないとね」
「はい!」
知花が満面の笑みで返事をした。
今日から私は自分の人生を生きると決めた知花の笑顔はとても眩しかった。
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