5人が本棚に入れています
本棚に追加
枯葉男を知ってるかい、枝で出来た手足に体、奇妙な枯れ葉の面、ひゅっと吹けば飛んでいきそうに頼りなく、脆いそれらの大半は土に還る寸前だ。
枯葉男は悪いやつなんだ。自分だけいつも土に還りたがっている。
枯葉のように土に還って世界の一部になりたいと、成すべきことをやり、この世に未練を残さず、立派に死にたい、楽しかった人生だと最期に想いたい。
一方、私は枯葉男に恋する布団女、
布団女は文字通り布団から動けない。
病気で寝込むことの多かった布団女は或夜、布団から話かけられた。
──そんなに僕のことが好きなら、なるべく離れない方がいい、布団の中は天国で外は地獄なのだから
「わかったわ、なるだけお布団の中にいるようにする。お布団の中に危険は無いものね」
それから、布団女は一日中お布団にくるまり、妄想に思いを馳せることにした。
「お布団の中は安全、自由に夢も見れるもの枯葉男さんはどうしてるのかしら」
布団女は布団を深く被りながらスマートフォンを操作した。
枯葉男は布団女とは違い、色んな場所に行き、写真を撮りそれに詞を添えて、小説サイトにアップしていた。
最初のコメントを投稿しよう!