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……はい、その通り。
その方法は、一時しのぎでした。私も夢花もそれぞれの生活があります。大学に入れば、社会人になる。仕事によっては転勤になることもあるのです。
いわゆる就職難の年でした。夢花はどうにか地元の職を見つけましたが、私は東京の会社しか内定をもらうことができなかったのです。このままでは私達はバラバラになってしまう。二人とも死んでしまう。私は、夢花に一緒に東京に来てくれるように頼んでいるのですが、彼女はまだ首を縦に振ってくれません。もう時間がないんです、四月には私は引っ越しをしなければいけないのに。
だからお願いします、力を貸してください。
呪いを解く方法か、あるいは夢花を説得して東京に連れていく方法を教えてほしいのです。
二人の命を救うためなんです。
え?
お前は自分が助かりたいだけだって?
和音とエマの件で、地元を離れた方に呪いがふりかかるのはわかっているだろうって?この場合死ぬのはお前だけだろうって?
じゃあお前が東京の仕事を諦めて夢花と一緒に地元に残ればいいだろうって?
な、なんでそんなこというの!
やっと見つかったデザイナーの仕事、なんで私の方が諦めなくちゃいけないの!夢花の方はたかが地元の工場じゃない、私の方が絶対、絶対――!
え。
友達の夢よりも、自分の命と夢のことしか考えてないなら。そんなやつはもう、友達じゃないって?
とっくに友達を裏切ってるだろって?
おまじないで誓った約束を、破ってるだろうって?
ち、違う!私はそんなんじゃ――ま、まって違うの、そんなんじゃないんです、そんなんじゃ!
あれ。
私、だれに、相談、し
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