ずっと、ずっと、ずっと。

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 高校は、全員が地元の学校へ行きました。ちなみに私達の故郷はかなりの田舎だったので、進学校というのは東京ほど数が多くなかったと言っておきます。ようは、仲が悪いのに陽菜と遼子は同じ学校に行くしかなかったのです。幸い、彼女達は同じクラスにならずに済んだようですが、冷戦状態は二年生になっても続きました。  決定打は、遼子の彼氏を陽菜が取ろうとしたこと。  いや、私はあまり詳細を聞いたわけではありません。この頃ともなると、別の高校に進学した私と夢花は、二人のどちらともやや疎遠になっていたからです。どちらも、相手が自分の好きな人を取ろうとした、いや先に裏切ったのはあっちだ、と相手を悪しざまに罵るばかり。どちらが真実を言っているのか、私達には図りかねました。  そして、悲劇は再び。 『きゃああああああああああああああああああああああああ!?』  まず、陽菜が屋上から落ちて死にました。  夜の遅い時間で、誰も気づかなかったようなのです。落ちても彼女は即死できず、両手足が折れ曲がりあばらが肺に刺さって息もままならないまま、何時間も苦しみ抜いて死んだようでした。  そして、まるでその後を追うように遼子も自宅の学校のプールに沈んでいるのが見つかったのです。夏以外は、水が入っていても汚い泥だらけで掃除されていないプールです。ゆえに彼女の発見は遅れに遅れ、大量に水を吸って膨れ上がり、腐り果てた有様と化していました。果たして、どちらの方がマシな死に方だったのでしょうか。 『やべえよ、日登美……!これ、絶対あのおまじないのせいだって!』  いつも勝気だった夢花も完全に怯えてしまっていました。きっと私も同じ顔をしていたでしょうが。 『あのおまじない、解除する方法ねえのか!?そ、そりゃ、あたしと日登美がずっと仲良くして一緒の地域に住んでればいいって言うかもしれねえけど……遠くに引っ越しただけでアウトなんだぜ!?これから先も、ずっと二人ともこの町にいられるとは限らねえじゃん……!』 『だ、だよね……』  おまじないを、解除する方法。私はネットで調べたり、神社やお寺にお祓いを頼んだりもしました。けれど、どれもこれも手応えはなく。神社やお寺の一部に関してはお祓いをするよりも前に門前払いされてしまうこともあったほどです。何か厄介なものをくっつけているのはあわかるけれど、その正体も見えないし対処できるような類のものではないから、と。  私達は、同じ大学に進むことを決めました。ひとまず自分達がちゃんと友達でいつづけて、この町で一緒にいれば。呪いは降りかからないだろう、と思われたからです。
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