5人が本棚に入れています
本棚に追加
ずっと、ずっと、ずっと。
一体、どこからお話すればいいのでしょうか。
わかっているのは、あのおまじないが全ての元凶だったということだけです。
私、新沢日登美には、小学生の頃五人の友達がいました。
みんなのリーダーでお姉さん気質な陽菜。
大人しいけど、クラスで一番勉強ができた眼鏡っ子の和音。
アメリカから来たばかりで日本語はカタコトだけど、天真爛漫なエマ。
小柄だけど誰よりかけっこが早くて運動神経抜群だった遼子。
それから、男っぽいけど力持ちで正義感の強い、夢花。
タイプもバラマラ、正確もバラバラ、趣味もバラバラだったけど妙に気が合ったというか。
全員が揃った小学校五年生のクラスは、本当に楽しかったのです。中学生になっても、高校生になっても、それからずっと先の大人になっても。ずっとずっと、自分達の友情が続いて欲しいと願っていました。
だから、インターネットで見かけたおまじないを試してみることにしたのです。
今でもはっきり覚えています。確か、こんな内容でした。それぞれの血をちょこっとしみこませて、名前を書いたメモ用紙をそれぞれ用意。その上に、六人で手を重ね合わせて言うのです。
『今日から私達は、ずっとずっとずっと、友達でいることを此処に誓います!』
『誓う!』
『誓います』
『誓いマス!』
『誓いまーす』
『誓いまっす!』
『今日から私達は、ずっとずっとずっと、一緒にいることを誓います!』
『私達は、ずっとずっとずっと、仲間であることを誓います!』
『私達は、けしてお互いを傷つけたりはしません!』
『私達は、けしてお互いを裏切ることはしません!』
『私達は、友情に罅を入れることをけして許しません!全ての責を負うことを誓います!』
『誓います』
『誓いマス!』
『誓いまーす』
『誓いまっす!』
『だからお願いします。私達に永遠の友情を約束してください。私の名前は新沢日登美です』
『小倉陽菜だよ!』
『会田和音です……』
『エマ・グリーン、デス!』
『樋口遼子でーす』
『天童夢花だぜ!』
『私達はずっとずっとずっと、本物の友達です!』
その儀式を、他の人に見られないように放課後の空き教室でやる。それだけでした。
たったそれだけの、子供の儀式だったのです。私達は気づいていませんでした、自分達の友情が揺らぐ日が来ることも、これから起きる恐ろしい出来事も。
最初のコメントを投稿しよう!