へんな道

9/11
前へ
/11ページ
次へ
 私は目を開ける、目の前には緑がいた、、。 「あー楽しかった。」  緑は呟いた。 「楽しかった、、?」 「うん。ちょっとの間だけど。」  緑は笑って言う。 「ちょっとの間? お別れするわけじゃないのに、最後みたいなこと、、。」  私は緑がもう別れるかのように言い方に疑問を感じた。  なぜそんなこと言うんだろ? 「、、実は、あなたたちが今まで通って来たあの道は、元々存在しないのよ。だって、、、」  私たちは、衝撃の事実を聞いた。  存在しない?それはどう言う、、、?  私は頭にハテナを浮かべる。 「、、、だって、ここはあたしが創った世界(・・・・・)だもの。そして、あたしだって、ヒトとしては存在していないし。」  私たちは息を呑む。そう、、、つまり森緑(・・)存在しない(・・・・・)。 「そう。今、あなたたちが思った通り、森緑(・・)なんて人存在なんてしない。」 「「「!!!」」」  それならば、緑は何者なんだ。 「、、、あたしは自然の守人(もりびと)。森羅万象を守る者。あなたたちは、我が(植物達)を大切にしてくれた。自然に対して優しかった。私はそれを見て、素晴らしいと思ったんだ。だから、会ってみたかった、会うための口実を作りたかった。」  そう言い、緑は私たちに向かい笑いかける。悲しげに。 「さようなら。」  緑は名残惜しそうに言う。お別れ?そんなの、、! 「お別れなんてダメだ!!それぐらいなら、、それぐらいなら、、、!」  気がつけば声に出していた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加