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 翌日も渉は学校に姿を現わさなかった。病院通いで忙しいのかもしれない。そう思ったものの、さすがに五日も経つと気になってきた。渉はスマホを持っていないので、会わないと話すこともできない。  翌朝。スケッチをしようと川辺で自転車を止めたとき、後ろから声がした。 「悠希」  渉が笑いながら近付いてくる。  会ったら何を話そうかと、そればかり考えていたのに、今はただ、変わらない笑顔が見られた嬉しさでいっぱいだった。 「おはよう」  挨拶をしてから気付く。渉は制服を着ていない。白い半袖シャツにジーンズだ。講習には行かないのだろうか。 「ここで会えて良かった。話があったんだ」  ドクンと心臓が音をたてた。  改まって何の話だろう。  途切れた話の、続きだろうか。  渉が小川を見下ろす土手に腰を下ろしたので隣に座った。  ドキドキして落ち着かない。  なかなか話を切り出さないので、鼓動は益々早くなる。 「あのさ」  ようやく口を開いた。 「俺、高校辞めて、父さんの知人のアシスタントとして海外に行こうと思う」
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