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３
「この梅酒、すっごくおいしい！」
炭酸で割りながら飲んでいるが、それでもこのお酒が別格においしいことは伝わってくる。酸味と甘みが絶妙なバランスで保たれていて、上品な味だ。さらりとのどを流れる梅の風味が、救急隊の肉体疲労をいやしてくれる。
「酒には詳しくないから、とりあえずランキング一位のやつを買ってみたんだが。当たりだったな」
「もう、それ言わなきゃかっこいいのに」
くすくす笑いながら、お酒を口に運ぶ。ここは碧唯兄ちゃんが住む、マンションの一室だ。梅酒自体もおいしいが、気遣いの必要がない相手と飲むお酒は、格段においしい。
「で、悩みってのはなんだ？」
「えっと、その……」
言いよどんでいる間、碧唯兄ちゃんは急かすことなく、ただ待ってくれた。今回の悩みはプライベートすぎて、口に出すのもはばかられる。お酒の力を借りて、酔いに任せ、思いきって打ち明けた。
「……セックスが、できなくて」
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