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「絶食男子ってやつなのかな。誰かとつながりあいたいって気持ちが薄いんだと思う。このまま、誰とも性的関係を持たずに一生を過ごすことになるのかも、なんて思ったらさ、それってなんか寂しいなって……」    とりとめのない悩みを、碧唯兄ちゃんは、ただうなづきながら聞いてくれた。話してよかった。すべてを受け止めてもらったという実感だけで、肩の荷がおりて楽になった。  なにげなく時計を見て、飛び上がるほどびっくりした。体感では三十分くらいしか経ってないのに、時計の針は三時間も進んでいる。 「もうこんな時間……! ごめん、そろそろ帰るから!」
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