38人が本棚に入れています
本棚に追加
帰り支度を始めようとしたが、足に力が入らない。なんだかふらふらする。飲みすぎた。そんなにお酒に強いわけじゃないのに。
「おいおい、そんな千鳥足じゃ帰れないだろ。今夜はここに泊まっていけ」
碧唯兄ちゃんの提案に、おとなしく甘えることにした。だが、寝る前に仕事でしみついた汗臭さははどうにかしないと。碧唯兄ちゃんちの布団をよごすわけにはいかない。
「ん……、ありがと。じゃあ、お風呂貸して」
「そんだけ泥酔してんのに風呂なんて、あぶないだろ」
「でも……」
こんな、労働と酒の臭いがしみついた身体で寝るわけにはいかないし。そんなことを思ってうだうだしていると、碧唯兄ちゃんはふっと笑った。
「なら二人で風呂に入るか。それなら安全だろ」
最初のコメントを投稿しよう!