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普通の生活のすぐそばに、危険はひそんでいる。
救急の仕事をしていると、年に数回は、お風呂でおぼれた患者の出動要請がある。足がふらつくこんな状態じゃ、浴槽でおぼれかねない。碧唯兄ちゃんがついていてくれるなら、たしかに安全だ。
(安全?)
なんとなく違和感をおぼえた。碧唯兄ちゃんに裸をさらけ出すことに、恥ずかしさとは別種の、言葉にならない危機感をいだいてしまって。
(完全に酔ってるな。頭ン中ぐちゃぐちゃだ)
もたもたと服を脱ぎ、浴室に入ると、肩を押されてバスチェアに座らされた。
「じっとしてろ。髪とか身体とか、洗ってやるから」
「いいよ、そんな。ひとりでできるから……」
「なに恥ずかしがってんだ。兄弟だろ?」
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