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 ぎいぃ、と錆びた音がした。  古ぼけた夢の扉が開く音だ。  あまりに恐ろしくて、耳をふさぎたくなった。 (思い出しちゃいけない)  思い出してしまったら、禁じられた望みが、強制的に露呈されてしまう。なのに否定することができなかった。意思に反して、明らかに悦びを感じていたから。 (こう、されたかったんだ)
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