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「……っ!」  思わず後ずさりした。雑念の中心人物がそこにいたからだ。 「あ、碧唯兄ちゃん、なんでここに!?」 「救急搬送証明書が必要な患者がいて、手続きに来たんだ。そのついででなんだが。……これ、どうだ?」  封筒を渡された。なかには、つるつるした硬い紙が2枚、入っていた。風情ある木造家屋の写真がプリントされている。有名な旅館のペアチケットだ。 「カノジョとの旅行にぴったりだと思ってな。ほら、環境が変われば、うまくいくかもしれないだろ。……余計なお世話だったか?」
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