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「なんだよ、それ……っ!」
AEDからの心臓マッサージを続行しながら、怒りが手のひらに伝わらないように苦心した。医療従事者としてのプライドはないのか。一分一秒が惜しい容体なのに、満床だの訴訟リスクだの理屈をこねて、患者を見捨てるなんて。
「……っ!」
僕はプライベート用のスマートフォンを取り出した。履歴のいちばん上をタップし、肩にはさんで電話をかける。
画面に映し出された名前は「碧唯兄ちゃん」。ワンコールもしないうちに、すぐに応答があった。
『どうした?』
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