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晶が覚えているのは、一人で絵本を読んでいると何時も誰かが一緒に居てくれて、晶の考えていることや質問に答えてくれていたので、なんの不便もなかったと言うことだ。髭の生えたお爺さんや、長い白い衣の羽根の生えた女性や、緑色の子供なんかも居たので、毎日が楽しかったのだが、其をいうと回りの大人たちに咎められたので又なにも喋らなくなった。
終いには、嘘や妄言、言い訳をするなと言われて、父に殴られ、母には呆れられた。兄はなにも言わなかったが・・・
自分が大人になってから考えてみると、何とか普通の子にしたかったのだろうと思う事もあるが、女の顔を殴るとか最低である。若い頃は母も何度か殴られたらしいので、やっぱりくそ親父であろう。兄もよく勉強をしろとかスポーツをやれとか友達が気に入らないとか言われて殴られていた。
うん。どう考えても糞親父。
まあ、今はあの世に行ったので実家は平和そうである。
晶は実家には近寄らず、時折兄が連絡を入れてくるだけで、こっちからは連絡はしない。
結婚も離婚も2回経験したし、普通に会社勤めも経験した。アルバイトもパートもありとあらゆる職種をやったが、結局人との付き合いが面倒で、引きこもりになってしまった。
離婚時の慰謝料で暫く暮らしていたが、それも飽きてきて、幼い頃から慣れ親しんできた世界で生きていくことに決めた。
晶の表の仕事は占い師だが、本当の仕事は『 拝み屋 』であるーーー
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