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晶がこの仕事でお金を稼ぐ事にしたとき、何となく決めていたことがある。
占いは別としても、『頼まれたお願い事に対するお祈りは、頼んできた人の人生において、一回だけにしよう』だ。
本当に、何となくであるのだが、お金さえ払えば奇跡が何度でも起こせるとか、思わないで欲しいのだ。
その人にとっての『一生で一度だけのお願い』だから自分が代わりになって『神さま』への橋渡しを請け負ってもいいだろう。
だからこの女性にも、今まで通り『これっきり』であるとハッキリと告げた。
「お願い事は一回限りになります。これ以降はお金を積まれても無理ですよ? 本当にそれでいいんですか? 」
「はい。構いません」
「自分の事でないお願いであっても、あなたが依頼した以上あなたの権利を使いますよ良いですね?」
「はい」
「あと、お嬢さんがその学校に通いたいという明確な意思がある事と、ご本人が自分なりの努力をしている、というのが最低条件です。最低条件に満たない場合は、私が拝んだところで無理です。彼方側に、『本気でこの子は受かりたいと願っている』と認めて貰えていないですからね」
「それは大丈夫です」
曰く、進学塾ではボーダーラインギリギリで、もう1ランク下の学校を勧められているらしい。
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