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「……関わらない方がいい。」
やっとのことでシェイネが絞り出した声。バートリーを突き放した。
しかしバートリーはニヤリと笑うとシェイネの黒いネクタイを掴み、思いっきり引っ張る。
「嘘つき。」
バートリーの頸がヒリヒリと痛んでいた。訴えかけていた。「彼女は嘘をついているぞ」と。彼女の“感情”が訴えかけていた。
シェイネは目を見開いた。図星だったのだろう。落ち着かない様子でバートリーを見つめていた。八の字の眉が突如吊り上がる。そしてネクタイを掴むバートリーの手を掴んで無理矢理引き剥がすとバートリーから距離を取ろうと立ち上がり、逃げ出した。フードを被りながら、尻尾を巻いた。
「…さっきの掲示板のところに、黒髪の子がいるわよ。」
「……どうも。」
一瞬立ち止まったシェイネは、バートリーと目を合わせてぺこりとお辞儀をするとまた駆け出した。
「ねぇ、君。……私が助けて“あげようか“?」
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