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─今までに何人半殺しにした?もしかしたら私のせいで死んでる人だって…。私のせいで傷ついてる人?……そんなのいっぱいいる…。─
「なんで……。なんで…っ。来ないで!来るな!来るな!」
「踏切の赤いランプみたいにチカチカしてるわね、貴女の目。」
「来るなって…言ってるでしょ…。お願い…来るな。聞け!来ないで。…うぅ…っ、やめて。やめて。やめろ。」
「ごめーん。無理かも〜……。そういう風に言われちゃったら…来てって言ってるようなものじゃない?」
「来るな!」
廊下に声が響き渡る。周りに人がいないとはいえ、あの声量であれば、“叫んでいる”という認識はされるであろう。バートリーはシェイネの腰に手を回して引き寄せるともう片方の手の人差し指を立てて唇にあてる。
「しー。“この人達が忘れても”、ここでぶっ倒れてちゃ、見つかったときにまずいでしょ?」
唇に当てていた手をパッと開くと、倒れている四人を指差し、今度はバートリー自身のこめかみを人差し指でトントンと二回軽く叩くとまた手をパッと開いて、ぎゅっと手を握る。小指、薬指、中指、人差し指、親指の順でゆっくりと─。彼女のその手に小さな光が瞬いているような気がした─。
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