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彼が力強く一歩を踏み出しジルに飛びかかる。
「……ははっ、前菜ですか?」
簡単に避けられる。
─しまった、体勢がっ…。─
咄嗟に受け身を取り、瞬時に立ち上がる。ジルは彼に背を向けている。距離を詰めれば大きな打撃を与えられる。彼はそう確信し、地面を蹴り上げようとするが、足が思うように動かなかった。
ジルが振り向きニマっと口元を歪ませ、眉をひそめて憐れむように彼を見下ろす。
「前菜なんていらない。メインディッシュをとっととおくれ?……暗器を使っておくれ。…あぁ、しまった。存在が相手にバレていたら、ただの武器になってしまう…。」
─体が動かない…。相手は後輩だぞ…動け…動けっ…。─
「……っ。」
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