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生徒が生徒に脅されている。そんな声が聞こえた。その音の方向に目を向けると、ブラックブリッツの寮生に複数の他寮の生徒が迫っている。
黒髪の少女がフードを被っている少女の服の裾を掴み、掴まれている彼女も抵抗をしている。相手はおそらく中等部の生徒だ。シアンクレスト生が男女一人ずつ。マゼンダモノポリー生が男子二人。圧倒的不利だ。
「あの、ほんとに…離してください…!何がしたいんですか…?!」
黒髪の少女が叫ぶ。裾をぎゅっと掴んで離さないようにしている。
マゼンダモノポリーの男子生徒がフードを被った彼女に掴みかかり、黒髪の少女から引き剥がすとヤケクソになって「躾だ!」と叫んだ。
「おら、来いよ!歩け!歩けんだろう!?」
「ちゃんと言うことを聞いてください。そうすれば、貴女の罪だって軽くなる。」
「そうよそうよ。出しゃばったこと、後悔させるわ。」
「ほらほら歩け、こっち来い。な?いい子だから。」
フードの彼女が連れ去られる。
見ていていい気はしない。バートリーは舌打ちをした後、黒髪の少女に駆け寄る。
黒髪の少女─ホック・リウ・ミシェルはびくりと反応した後、一歩後ずさる。
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