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─…でも、なんで…?知らない声なのに…どうして…五人しかいないの…?─
ボサボサになった金髪を更に乱すかのようにぐしゃぐしゃと頭を掻いている少女。ブラックブリッツの寮服を着用している。バートリーはその後ろ姿から何かを感じ取る─。
─あぁ…狂ってる。─
金髪の彼女はケタケタと笑うと四人に迫る。
「は、はぁ?…んだよコイツ。」
「テメェらこそ、なんだよ?痛いんだよ。分かんないのか?……あぁそっか……体験しないと、分かんないよな。…あー、ごめんごめん。分かった。…やってあげるね?」
「いやっ、やめ─」
「“そんなの聞き入れる訳ないでしょ?”…ハハッ、なんか文句あるかなぁ?」
「ぼ、僕らに向かって…暴行なんて…!減点対象ですよ?!いいんですか?!貴女のせいで、ブラックブリッツは落ちぶれ─。」
「暴行………?“躾”だが?…マナーのなってない、哀れな小動物ちゃんに〜…現実を、教えよっか。…いいよな?」
「調子に乗りやがって─!」
「聞こえないなぁ?…聞こえない。………早く“ごめんなさいって言えよ”。」
彼女が手を挙げる。バートリーは咄嗟に覗くのをやめて壁に背を付けて呼吸を整えようと深呼吸をするが、勝手に浅い呼吸になってしまう。思わず口元を手で覆う。
すぐ近くから悲鳴やうめき声、怒号、鈍い音、狂気的な高笑いが聞こえる。バートリーの目は見開かれ、動悸は治まるどころか激しくなっている。
─生唾を飲み込む。
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